議事録の書き方 / 法令・規約と議事録
役員報酬を決めたときの議事録(株主総会・取締役会の条文と、記載の見本)
役員報酬を株主総会で決めたときの議事録について、会社法361条・319条、会社法施行規則72条、法人税法34条・同施行令69条の条文と、国税庁のタックスアンサーの文を原文のまま並べました。会社法の決まりと税の文を分け、確認日と版を付けています。

このページは、役員報酬(取締役の報酬等)を株主総会で決めたときの議事録について、会社法と会社法施行規則の条文、法人税法と同施行令の条文、国税庁のページの文を紹介します。
会社法の決まりと税の決まりは、別の節に分けました。かぎかっこの中は、条文と国税庁のページの原文と、検索に使った語です。条文の言い直しや、ある会社への当てはめ、税の扱いの結論は書いていません。
2026年10月19日に、e-Gov法令検索(国の法令を調べられるサイト)で会社法・会社法施行規則・法人税法・法人税法施行令の条文を、国税庁のサイトでタックスアンサーNo.5211を確かめました。開いた版は、最後の節の表に書きました。
役員の報酬を決めるのはだれか(会社法361条1項)
取締役の報酬等について決める事項は、会社法361条1項の柱書と1号から6号に書かれています。条の見出しは「取締役の報酬等」です。
1項の柱書(号の前の文)は、「取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益(以下この章において「報酬等」という。)についての次に掲げる事項は、定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。」です。
「次に掲げる事項」のうち、1号・2号・6号を写します。
| 号 | 条文 |
|---|---|
| 1号 | 「報酬等のうち額が確定しているものについては、その額」 |
| 2号 | 「報酬等のうち額が確定していないものについては、その具体的な算定方法」 |
| 6号 | 「報酬等のうち金銭でないもの(当該株式会社の募集株式及び募集新株予約権を除く。)については、その具体的な内容」 |
表の中を左右に動かして読めます。
3号は「報酬等のうち当該株式会社の募集株式」、4号は「報酬等のうち当該株式会社の募集新株予約権」で始まる号です。5号は「報酬等のうち次のイ又はロに掲げるものと引換えにする払込みに充てるための金銭については、当該イ又はロに定める事項」です。3号・4号と5号のイ・ロの全文は、e-Govの会社法を開き、361条で読めます。
このページで扱う人と、扱わない項
361条は1項から7項まであります。このページで写すのは1項・4項・5項・6項・7項で、2項と3項は写していません。監査役や会計参与の報酬等は、このページでは扱いません。
会社の中の打ち合わせの記録と、法令で決まった議事録の分け方は、社内の議事録との違いの節にまとめてあります。
株主総会で決めたときの議事録に残すこと(会社法施行規則72条)
株主総会の議事録の内容は、会社法施行規則72条3項の1号から6号です。決議を省略したときの議事録の内容は、72条4項にあります。
72条の見出しは「議事録」です。1項は「法第三百十八条第一項の規定による株主総会の議事録の作成については、この条の定めるところによる。」です。
3項の柱書は「株主総会の議事録は、次に掲げる事項を内容とするものでなければならない。」で、2号は「株主総会の議事の経過の要領及びその結果」です。1号から6号の全部は、議事録に入れる6つの事項の節に写しています。決議を省略したときの議事録の内容(72条4項)は、下の、株主総会を開かずに決めるときの節に書きました。
3号のヘ・トと、会社法361条5項・6項
72条3項3号は、「次に掲げる規定により株主総会において述べられた意見又は発言があるときは、その意見又は発言の内容の概要」です。「次に掲げる規定」はイからヨの15で、そのうちヘは「法第三百六十一条第五項」、トは「法第三百六十一条第六項」です。
| 項 | 条文 |
|---|---|
| 5項 | 「監査等委員である取締役は、株主総会において、監査等委員である取締役の報酬等について意見を述べることができる。」 |
| 6項 | 「監査等委員会が選定する監査等委員は、株主総会において、監査等委員である取締役以外の取締役の報酬等について監査等委員会の意見を述べることができる。」 |
表の中を左右に動かして読めます。
残りの13の規定は、e-Govの会社法施行規則を開き、72条で読めます。
議案を出した取締役の説明(会社法361条4項)
361条4項は、「第一項各号に掲げる事項を定め、又はこれを改定する議案を株主総会に提出した取締役は、当該株主総会において、当該事項を相当とする理由を説明しなければならない。」です。この説明を議事録にどう書くかは、このページでは扱いません。
報酬を変える時期と、税の条文に書いてあること
報酬の額を変える時期について、法人税法34条1項1号・同施行令69条1項1号と、国税庁のNo.5211の文を並べます。税の扱いの結論は書きません。
この節は、会社法ではなく、税の法令と国税庁のページの文です。
法人税法34条1項
34条の見出しは「役員給与の損金不算入」です。1項の柱書は、「内国法人がその役員に対して支給する給与(退職給与で業績連動給与に該当しないもの、使用人としての職務を有する役員に対して支給する当該職務に対するもの及び第三項の規定の適用があるものを除く。以下この項において同じ。)のうち次に掲げる給与のいずれにも該当しないものの額は、その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上、損金の額に算入しない。」です。
1号は、「その支給時期が一月以下の一定の期間ごとである給与(次号イにおいて「定期給与」という。)で当該事業年度の各支給時期における支給額が同額であるものその他これに準ずるものとして政令で定める給与(同号において「定期同額給与」という。)」です。
1項には1号のほかに2号と3号があり、34条には2項から8項もあります。どれも、このページには写していません。2号・3号と2項から8項の文は、e-Govの法人税法の34条で読めます。
法人税法施行令69条1項1号
69条の見出しは「定期同額給与の範囲等」です。1項の柱書は「法第三十四条第一項第一号(役員給与の損金不算入)に規定する政令で定める給与は、次に掲げる給与とする。」です。
1号は、「法第三十四条第一項第一号に規定する定期給与(以下第六項までにおいて「定期給与」という。)で、次に掲げる改定(以下この号において「給与改定」という。)がされた場合における当該事業年度開始の日又は給与改定前の最後の支給時期の翌日から給与改定後の最初の支給時期の前日又は当該事業年度終了の日までの間の各支給時期における支給額が同額であるもの」です。
| 欄 | 条文 |
|---|---|
| イ | 「当該事業年度開始の日の属する会計期間(法第十三条第一項(事業年度の意義)に規定する会計期間をいう。以下この条において同じ。)開始の日から三月(次に掲げる法人にあつては、それぞれ次に定める月数)を経過する日(イにおいて「三月経過日等」という。)まで(定期給与の額の改定(継続して毎年所定の時期にされるものに限る。)が三月経過日等後にされることについて特別の事情があると認められる場合にあつては、当該改定の時期)にされた定期給与の額の改定」 |
| ロ | 「当該事業年度において当該内国法人の役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情(第四項第二号及び第五項第一号において「臨時改定事由」という。)によりされたこれらの役員に係る定期給与の額の改定(イに掲げる改定を除く。)」 |
| ハ | 「当該事業年度において当該内国法人の経営の状況が著しく悪化したことその他これに類する理由(第五項第二号において「業績悪化改定事由」という。)によりされた定期給与の額の改定(その定期給与の額を減額した改定に限り、イ及びロに掲げる改定を除く。)」 |
表の中を左右に動かして読めます。
イの中の「次に掲げる法人」は、イの(1)と(2)の2つです。(1)・(2)と69条1項2号はこのページに写していないので、e-Govの法人税法施行令の69条で読んでください。
国税庁のタックスアンサーNo.5211
ページの名前は「No.5211 役員に対する給与(平成29年4月1日以後支給決議分)」で、基準日の表示は「[令和8年4月1日現在法令等]」です。
No.5211には、「法人が役員に対して支給する給与(注)の額のうち次に掲げる定期同額給与、事前確定届出給与または一定の業績連動給与のいずれにも該当しないものの額は損金の額に算入されません。」という文があります。その次の文は、「ただし、次に掲げる給与のいずれかに該当するものであっても、不相当に高額な部分の金額は、損金の額に算入されません。」です。
1つ目の文の(注)の中身は、このページでは写していません。タックスアンサーNo.5211でご覧ください。
見出し「定期同額給与」の下には、定期給与の額の改定について、次の(1)から(3)の文があります。
| 番号 | 国税庁のページの文 |
|---|---|
| (1) | 「(1) その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3か月(確定申告書の提出期限の特例に係る税務署長の指定を受けた場合にはその指定に係る月数に2を加えた月数)を経過する日(以下「3月経過日等」といいます。)まで(継続して毎年所定の時期にされる定期給与の額の改定で、その改訂が3月経過日等後にされることについて特別の事情があると認められる場合にはその改訂の時期まで)にされる定期給与の額の改定」 |
| (2) | 「(2) その事業年度においてその法人の役員の職制上の地位の変更、その役員の職務の内容の重大な変更その他これらに類するやむを得ない事情(以下「臨時改定事由」といいます。)によりされたこれらの役員に係る定期給与の額の改定(上記(1)に掲げる改定を除きます。)」 |
| (3) | 「(3) その事業年度においてその法人の経営状況が著しく悪化したことその他これに類する理由(注)(以下「業績悪化改定事由」といいます。)によりされた定期給与の額の改定(その定期給与の額を減額した改定に限られ、上記(1)および(2)に掲げる改定を除きます。)」 |
表の中を左右に動かして読めます。
(3)の(注)は、「(注) 法人の一時的な資金繰りの都合や、単に業績目標値に達しなかったことなどはこれに含まれません。」です。根拠法令等の欄は、「法法34、54、54の2、法令69、71の2、71の3、111の2、111の3、法規22の3、法基通9-2-13、平29改正法附則14、15、平29改正令附則9、10、平29改正規則附則3、4」です。
No.5211の文の「議事録」の語を検索すると、0回でした(2026年10月19日)。このページの税の節は、議事録の書き方の答えではありません。
議事録の構成例(議案の書き方の見本)
下の構成例は、会社法361条1項の号と会社法施行規則72条3項の号を手がかりに、このサイトで作った例です。法令が決めた書式ではありません。
欄の名前には条文の言葉を使い、欄の頭に条・項・号を付けました。
株主総会議事録(取締役の報酬等の議案の部分) 【施行規則72条3項2号】議事の経過の要領及びその結果 第 号議案 取締役の報酬等の件 会社法361条1項の何号の事項を定めたか: 1号の額: 2号の具体的な算定方法: 6号の具体的な内容: 経過の要領: 結果: 【同3号ヘ・ト】361条5項・6項により述べられた意見があるときは、その内容の概要:
72条3項の1号・4号・5号・6号の欄は、この枠には入れていません。
署名や押印の欄も、この枠には入れていません。その欄を置くかどうかは、このページでは決めていません。
株主総会を開かずに決めるとき(会社法319条1項)
株主総会の決議の省略は、会社法319条の条です。そのときの議事録の内容は、会社法施行規則72条4項1号にあります。
319条の見出しは「株主総会の決議の省略」です。1項は、「取締役又は株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなす。」です。
72条4項1号の場合の欄は、「法第三百十九条第一項の規定により株主総会の決議があったものとみなされた場合」です。319条の2項から5項と、72条4項1号のイからニは、決議を省略したときの記録の節に写しています。
株主が1人の会社に、319条1項がどう当てはまるかは、このページでは扱いません。
取締役会が「決定に関する方針」を決める会社(会社法361条7項)
会社法361条7項は、1号と2号に挙がった株式会社の取締役会についての項です。7項にはただし書があり、1号には括弧書きがあります。
| 欄 | 条文 |
|---|---|
| 7項本文 | 「次に掲げる株式会社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く。以下この項において同じ。)の報酬等の内容として定款又は株主総会の決議による第一項各号に掲げる事項についての定めがある場合には、当該定めに基づく取締役の個人別の報酬等の内容についての決定に関する方針として法務省令で定める事項を決定しなければならない。」 |
| 7項ただし書 | 「ただし、取締役の個人別の報酬等の内容が定款又は株主総会の決議により定められているときは、この限りでない。」 |
| 1号 | 「監査役会設置会社(公開会社であり、かつ、大会社であるものに限る。)であって、金融商品取引法第二十四条第一項の規定によりその発行する株式について有価証券報告書を内閣総理大臣に提出しなければならないもの」 |
| 2号 | 「監査等委員会設置会社」 |
表の中を左右に動かして読めます。
7項の「法務省令で定める事項」を定めた省令の条は、このページでは読んでいません。7項の1号・2号に挙がっていない会社で、取締役会が取締役の個人別の報酬等の内容を決めてよいかどうかも、扱いません。
主語の語の一覧
上で写した会社法と会社法施行規則の文のうち、次の表の文の、主語にあたる語を抜き出しました。
| 条文 | 主語にあたる語 |
|---|---|
| 会社法361条1項 | 「次に掲げる事項は、」(文は「取締役の報酬、賞与」で始まる) |
| 会社法361条4項 | 「議案を株主総会に提出した取締役は、」 |
| 会社法361条5項 | 「監査等委員である取締役は、」 |
| 会社法361条6項 | 「監査等委員会が選定する監査等委員は、」 |
| 会社法361条7項本文 | 「次に掲げる株式会社の取締役会は、」 |
| 会社法319条1項 | 提案:「取締役又は株主が」/同意:「株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が」 |
| 会社法施行規則72条3項 | 「株主総会の議事録は、」 |
表の中を左右に動かして読めます。
合同会社のとき
このページで写した会社法361条・319条の文には、「株式会社」の語があります。合同会社の議事録は、別のページにまとめています。
合同会社については、合同会社の議事録のページに書きました。このページの法人税法・同施行令と国税庁の文が、合同会社にどう当てはまるかは扱いません。
最終の判断は、税理士・司法書士へ
このページは、条文と国税庁のページの言葉を並べた案内です。自分の会社の税の扱いは税理士に、議事録の作り方は司法書士に確かめてください。
役員報酬の額の決め方や、税の扱いの結論は書いていません。会社の定款に報酬等の定めがあるかは読んでいないので、自分の会社の定款も、あわせて確かめてください。
読んだ条文と版の記録
引いた条と、e-Govで開いた版を、下の表にまとめます。
| 法令 | 条 | 開いた版の施行日 | ほかの版と比べた結果 |
|---|---|---|---|
| 会社法 | 319条・361条 | 2026年8月12日 | 前の版(2026年7月23日施行)とも、まだ施行されていない5つの版(e-Govの状態はUnEnforced)とも、条の文字は同じ |
| 会社法施行規則 | 72条 | 2024年4月1日 | 2022年12月26日施行の版と同じ(2026年10月18日に比べた)。まだ施行されていない版は、e-Govの改正の一覧にありませんでした |
| 法人税法 | 34条 | 2026年10月1日 | 前の版とも、まだ施行されていない6つの版(状態はUnEnforced)とも、条の文字は同じ |
| 法人税法施行令 | 69条 | 2026年10月1日 | 2026年4月1日施行・2026年7月31日施行の版とも、まだ施行されていない2つの版(状態はUnEnforced)とも、条の文字は同じ |
表の中を左右に動かして読めます。
e-Govの会社法の改正の一覧には、2026年5月1日施行の版もあります。その版のe-Govでの状態はPreviousEnforcedで、361条・319条の文字は、いま施行されている版(状態はCurrentEnforced)と同じでした。
国税庁のNo.5211は、2026年10月19日に開いたときの文です。ページが書き換わったときは、No.5211の今の文をご覧ください。
よくある質問
役員報酬を変えたら、議事録は要りますか?
会社法361条1項は、「取締役の報酬、賞与その他の職務執行の対価として株式会社から受ける財産上の利益(以下この章において「報酬等」という。)についての次に掲げる事項は、定款に当該事項を定めていないときは、株主総会の決議によって定める。」です。株主総会の議事録の内容は会社法施行規則72条3項の1号から6号で、2号は「株主総会の議事の経過の要領及びその結果」です。決議を省略したときの議事録の内容は、72条4項にあります(2026年10月19日確認)。報酬を変えた自分の会社で議事録が要るかどうかは、このページでは答えません。司法書士に確かめてください。
役員報酬は、いつまでに決めればいいですか?
国税庁のタックスアンサーNo.5211には、定期給与の額の改定について(1)から(3)の文があります。(1)は「(1) その事業年度開始の日の属する会計期間開始の日から3か月(確定申告書の提出期限の特例に係る税務署長の指定を受けた場合にはその指定に係る月数に2を加えた月数)を経過する日(以下「3月経過日等」といいます。)まで(継続して毎年所定の時期にされる定期給与の額の改定で、その改訂が3月経過日等後にされることについて特別の事情があると認められる場合にはその改訂の時期まで)にされる定期給与の額の改定」です(2026年10月19日確認・ページの基準日の表示は「[令和8年4月1日現在法令等]」)。(2)と(3)は、本文の税の節に写しました。自分の会社でいつまでに決めればよいかは、税理士に確かめてください。
株主が自分だけの会社でも、議事録を作りますか?
会社法319条1項は、「取締役又は株主が株主総会の目的である事項について提案をした場合において、当該提案につき株主(当該事項について議決権を行使することができるものに限る。)の全員が書面又は電磁的記録により同意の意思表示をしたときは、当該提案を可決する旨の株主総会の決議があったものとみなす。」です。会社法施行規則72条4項1号の場合の欄は、「法第三百十九条第一項の規定により株主総会の決議があったものとみなされた場合」です(2026年10月19日確認)。株主が1人の会社にこれらの条がどう当てはまるかは、このページでは扱いません。司法書士に確かめてください。
このページの議事録の構成例は、そのまま使えますか?
構成例は、会社法361条1項の号と会社法施行規則72条3項の号を手がかりに、このサイトで作った例です。法令が決めた書式ではありません。自分の会社で使えるかどうかの判断は、司法書士に確かめてください。
この記事を書いた人(運営者)
- 運営
- Zawa Lab(個人事業主)
- 運営者について
- 業務改善のシステムを30以上開発
- この記事の最終確認日
- 間違いのご連絡
- info@zawalab.com


