議事録の書き方 / 法律で決まった会議
安全衛生委員会の議事録(法令が求める記録・周知・3年保存)
安全衛生委員会などの議事録について、労働安全衛生法・同施行令・労働安全衛生規則の条文を紹介します。毎月の開催、議事の概要の周知の3つの方法、記録して3年間保存する事項を、条文が求める事項と、このサイトの型で足した欄に分けてまとめました。

安全衛生委員会などの記録について、労働安全衛生規則23条は、事業者に、委員会の毎月1回以上の開催と、開催の都度の議事の概要の周知と、記録の3年間の保存を求めています。
このページは、法令の条文と役所の資料を紹介します。「」の中は原文のままです。あわせて、記録を作ってしまっておくまでの流れを案内します。条文の読み方の判断や、特定の事業場への当てはめは書きません。
書き込む型がすぐほしい方は、コピーして使える議事録の型をご覧ください。条文は、2026年10月18日に、e-Gov法令検索(国の法令を調べられるサイト)で、現在施行されている版を確かめました。
委員会を置く必要がある事業場
委員会を置く必要があるかどうかは、事業場ごとに、業種と、常時使う労働者の数で決まります。人数と業種は、労働安全衛生法施行令(労働安全衛生法にもとづいて内閣が定めた政令)に書かれています。
条文が数える単位は、会社ではなく事業場です。事業場ごとに、常時使用する労働者の数を見ます。「常時」の細かい数え方は、このページでは扱いません。
労働安全衛生法に出てくる「事業者」は、労働安全衛生法2条3号が、「事業を行う者で、労働者を使用するものをいう。」と定めています。
衛生委員会
衛生委員会について、労働安全衛生法18条1項は、「事業者は、政令で定める規模の事業場ごとに、次の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため、衛生委員会を設けなければならない。」と定めています。調査審議とは、調べて話し合うことです。「次の事項」は、18条1項の1号から4号に挙げられた4つです。
その「政令で定める規模」を、労働安全衛生法施行令9条が、「法第十八条第一項の政令で定める規模の事業場は、常時五十人以上の労働者を使用する事業場とする。」と定めています。9条には、業種の区別はありません。
安全委員会
安全委員会について、労働安全衛生法17条1項は、「事業者は、政令で定める業種及び規模の事業場ごとに、次の事項を調査審議させ、事業者に対し意見を述べさせるため、安全委員会を設けなければならない。」と定めています。「次の事項」は、17条1項の1号から3号に挙げられた3つです。
その「政令で定める業種及び規模」を、労働安全衛生法施行令8条が、「法第十七条第一項の政令で定める業種及び規模の事業場は、次の各号に掲げる業種の区分に応じ、常時当該各号に掲げる数以上の労働者を使用する事業場とする。」と定めています。各号は、次の表のとおりです。
| 号 | 業種の欄 | 数の欄 |
|---|---|---|
| 1号 | 「林業、鉱業、建設業、製造業のうち木材・木製品製造業、化学工業、鉄鋼業、金属製品製造業及び輸送用機械器具製造業、運送業のうち道路貨物運送業及び港湾運送業、自動車整備業、機械修理業並びに清掃業」 | 「五十人」 |
| 2号 | 「第二条第一号及び第二号に掲げる業種(前号に掲げる業種を除く。)」 | 「百人」 |
表の中を左右に動かして読めます。
8条1号には、「製造業のうち」「運送業のうち」とあります。製造業や運送業のすべてが、1号の対象ではありません。
2号が引いている施行令2条1号・2号の業種の欄は、次のとおりです。
| 号 | 業種の欄 |
|---|---|
| 2条1号 | 「林業、鉱業、建設業、運送業及び清掃業」 |
| 2条2号 | 「製造業(物の加工業を含む。)、電気業、ガス業、熱供給業、水道業、通信業、各種商品卸売業、家具・建具・じゆう器等卸売業、各種商品小売業、家具・建具・じゆう器小売業、燃料小売業、旅館業、ゴルフ場業、自動車整備業及び機械修理業」 |
表の中を左右に動かして読めます。
施行令2条には、人数の欄もあります。しかし、それは別の役職(総括安全衛生管理者)を置く基準で、委員会の人数ではありません。8条2号が引いているのは、2条の業種の欄だけです。
ここまでを、委員会ごとに並べると、次のとおりです。
| 委員会 | 業種 | 常時使用する労働者の数(以上) | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 衛生委員会 | すべての業種 | 50人 | 法18条1項・施行令9条 |
| 安全委員会 | 施行令8条1号の業種 | 50人 | 法17条1項・施行令8条1号 |
| 安全委員会 | 施行令2条1号・2号の業種から、8条1号の業種を除いたもの | 100人 | 法17条1項・施行令8条2号 |
表の中を左右に動かして読めます。
上の表の安全委員会の2つの行のどちらにも当たらない業種(施行令2条3号の「その他の業種」)は、施行令8条に挙げられていません。このため、これらの業種の事業場は、施行令8条では、安全委員会を設けなければならない事業場に入っていません。衛生委員会は、表の1行目のとおり、業種に関係なく、常時50人以上の労働者を使用する事業場ごとに、事業者が設けなければなりません。
自分の事業場の業種がどれに当たるかの判断は、このページでは扱いません。
委員会を設けていない事業者
労働安全衛生規則23条の2は、「委員会を設けている事業者以外の事業者は、安全又は衛生に関する事項について、関係労働者の意見を聴くための機会を設けるようにしなければならない。」と定めています。この条の文には、記録や保存、周知の定めは書かれていません。
安全委員会・衛生委員会・安全衛生委員会の違い
安全委員会と衛生委員会の両方を設けなければならない事業場について、労働安全衛生法19条1項は、それぞれの委員会の設置に代えて、安全衛生委員会を「設置することができる」と定めています。
| 委員会 | 条文 | 設けるとされる場合 |
|---|---|---|
| 安全委員会 | 労働安全衛生法17条1項 | 政令(施行令8条)で定める業種と規模の事業場ごとに、設けなければならない |
| 衛生委員会 | 労働安全衛生法18条1項 | 政令(施行令9条)で定める規模の事業場ごとに、設けなければならない |
| 安全衛生委員会 | 労働安全衛生法19条1項 | 安全委員会と衛生委員会の両方を設けなければならないときに、それぞれの委員会に代えて、設置することができる |
表の中を左右に動かして読めます。
労働安全衛生法19条1項は、「事業者は、第十七条及び前条の規定により安全委員会及び衛生委員会を設けなければならないときは、それぞれの委員会の設置に代えて、安全衛生委員会を設置することができる。」と定めています。
この条文は、安全委員会と衛生委員会の両方を設けなければならないときの定めです。条文の言葉は「設置することができる」です。
法令が求めているのは、毎月の開催・周知・記録の保存
労働安全衛生規則23条は、事業者に、委員会の毎月1回以上の開催、開くたびの議事の概要の周知、2つの事項の記録と3年間の保存を求めています。
この3つは、労働安全衛生法ではなく、労働安全衛生規則(労働安全衛生法と施行令にもとづいて定められた省令)の23条に書かれています。23条は5項までで、条文の言葉は次のとおりです。
| 項 | 条文の言葉 | 主語 |
|---|---|---|
| 1項 | 「事業者は、安全委員会、衛生委員会又は安全衛生委員会(以下「委員会」という。)を毎月一回以上開催するようにしなければならない。」 | 事業者 |
| 2項 | 「前項に定めるもののほか、委員会の運営について必要な事項は、委員会が定める。」 | 委員会 |
| 3項 | 「事業者は、委員会の開催の都度、遅滞なく、委員会における議事の概要を次に掲げるいずれかの方法によつて労働者に周知させなければならない。」 | 事業者 |
| 4項 | 「事業者は、委員会の開催の都度、次に掲げる事項を記録し、これを三年間保存しなければならない。」 | 事業者 |
| 5項 | 「産業医は、衛生委員会又は安全衛生委員会に対して労働者の健康を確保する観点から必要な調査審議を求めることができる。」 | 産業医 |
表の中を左右に動かして読めます。
条文の言葉は「記録」です。「議事録」という言葉は、労働安全衛生法・同施行令・同規則の条文には見当たりません(e-Govの条文の全文で検索して0件・添付の様式は調べていません)。一方、足立労働基準監督署の資料(PDFの1枚目)は、この記録を「議事録」と呼んでいます。
このページでも、わかりやすさのために、この記録を議事録と呼びます。
周知するのは、「議事の概要」です。4項で記録して保存するものとは、別のものとして書かれています。
社内の会議の議事録との違いは、議事録の書き方のページの社内の議事録との違いの節に書きました。
議事録に書くこと:条文が求める2つと、あると読みやすい項目
労働安全衛生規則23条4項が記録を求めているのは、2つの事項です。日時や出席者などの欄は、この2つには入っておらず、このサイトの型で足した欄です。
まず、条文が求める事項です。労働安全衛生規則23条4項の柱書(号の前に置かれた文)は、「次に掲げる事項を記録し」と定めていて、次の2つが挙げられています。
表A:条文が求める事項(労働安全衛生規則23条4項)
| 号 | 条文の言葉 |
|---|---|
| 1号 | 「委員会の意見及び当該意見を踏まえて講じた措置の内容」 |
| 2号 | 「前号に掲げるもののほか、委員会における議事で重要なもの」 |
表の中を左右に動かして読めます。
2号の「重要なもの」が何にあたるかは、条文に基準が書かれていません。このページでも、決めて書くことはしません。
次に、このサイトの型で足している欄です。これは、条文が求める事項ではありません。あとから記録を読み返す人が困らないように、このサイトで足したものです。
表B:このサイトの型で足している欄(条文が求めるものではありません)
| 欄 | 足している理由(このサイトの考え) |
|---|---|
| 委員会の名称 | 安全委員会・衛生委員会・安全衛生委員会のどれの記録か分かるようにするため |
| 開催の日時・場所 | 「開催の都度」の記録が、どの回のものか分かるようにするため |
| 出席者(欠席した人も) | だれがその場にいたか、あとから確かめられるようにするため |
| 議題 | 何について話し合ったか、すぐ分かるようにするため |
| 周知の方法と日 | 議事の概要をいつ、どの方法で知らせたか、記録に残しておくため |
| 記録を保存する場所 | 3年間のあいだ、探せるようにするため |
表の中を左右に動かして読めます。
このサイトでは、議題の例を、労働安全衛生規則21条(安全委員会)と22条(衛生委員会)から挙げます。2つの条の見出しは「安全委員会の付議事項」「衛生委員会の付議事項」で、付議事項は、委員会にかけて話し合う事項のことです。
21条は、「法第十七条第一項第三号の労働者の危険の防止に関する重要事項には、次の事項が含まれるものとする。」と定め、たとえば4号に「安全教育の実施計画の作成に関すること。」を挙げています。
22条は、「法第十八条第一項第四号の労働者の健康障害の防止及び健康の保持増進に関する重要事項には、次の事項が含まれるものとする。」と定め、たとえば9号に「長時間にわたる労働による労働者の健康障害の防止を図るための対策の樹立に関すること。」、10号に「労働者の精神的健康の保持増進を図るための対策の樹立に関すること。」を挙げています。
安全衛生委員会の議題の例として、このサイトでは、21条と22条の両方から例を挙げます。安全衛生委員会の議題を21条と22条と決める条文があるわけではありません。
コピーして使える議事録の型
次の型は、条文が求める2つの事項の欄を、必ず入れてあります。コピーして、紙・Word・Excelに写して使えます。
この型は、このサイトで作った型です。社内の会議の型は、社内の会議の型にあります。この型は、それとは別のものです。
委員会の名称:(安全委員会/衛生委員会/安全衛生委員会) 開催日時: 年 月 日( ) 時 分〜 時 分 場所: 出席者:(欠席した人も書く) 議題:(番号をつける) 【条文が求める事項①】(規則23条4項1号) 委員会の意見及び当該意見を踏まえて講じた措置の内容: ・意見: ・講じた措置: 【条文が求める事項②】(規則23条4項2号) 前号に掲げるもののほか、委員会における議事で重要なもの: ・ 周知の方法と日:(①常時、各作業場の見やすい場所に掲示・備え付け ②書面を労働者に交付 ③ファイルに記録し、かつ、各作業場に、労働者が中身をいつでも確かめられる機器を設置) 月 日 記録を保存する場所:
条文が求める事項と書いた2つの欄は、条文の言葉をそのまま欄の名前にしたものです。ほかの欄は、表Bのとおり、このサイトで足した欄です。何を書けば足りるかは、このページでは決めません。
従業員への周知の3つの方法
事業者は、委員会を開くたびに、遅れることなく、議事の概要を、3つの方法のどれかで労働者に知らせなければなりません。3つの方法は、労働安全衛生規則23条3項の1号から3号に書かれています。
労働安全衛生規則23条3項の柱書は、「事業者は、委員会の開催の都度、遅滞なく、委員会における議事の概要を次に掲げるいずれかの方法によつて労働者に周知させなければならない。」と定めています。3つの方法は、次のとおりです。
| 号 | 条文の言葉 | 方法を言い直すと |
|---|---|---|
| 1号 | 「常時各作業場の見やすい場所に掲示し、又は備え付けること。」 | 常時、各作業場の見やすい場所に、掲示するか備え付ける |
| 2号 | 「書面を労働者に交付すること。」 | 書面を労働者に渡す |
| 3号 | 「事業者の使用に係る電子計算機に備えられたファイル又は電磁的記録媒体(電磁的記録に係る記録媒体をいう。以下同じ。)をもつて調製するファイルに記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること。」 | 事業者のパソコンなどのファイル、または記録媒体のファイルに記録し、かつ、各作業場に、労働者が中身をいつでも確かめられる機器を置く |
表の中を左右に動かして読めます。
3号は、ファイルに記録するだけでは足りません。条文は、「かつ、各作業場に」、労働者が記録の内容を常時確認できる機器を設置することを加えています。
周知の相手は、条文では「労働者」です。周知するのは議事の概要で、次の節で書く保存する記録とは、別のものです。
記録の保存(3年)と、しまい方
事業者は、委員会を開くたびに記録を作り、三年間保存しなければなりません。押印や電子データでの保存については、条文から言えることに限って書きます。
労働安全衛生規則23条4項は、「事業者は、委員会の開催の都度、次に掲げる事項を記録し、これを三年間保存しなければならない。」と定めています。記録する事項は、前の節の表Aの2つです。
押印については、労働安全衛生法・同施行令・同規則の条文に、委員会の記録に署名や押印をするという定めは見当たりません。e-Govの条文の全文で「署名」「記名押印」「押印」を検索して、どれも0件でした(2026年10月18日確認)。これは、押印が要るか要らないかの結論ではありません。
紙で残すか、パソコンのファイルで残すかについては、法令の決まりとしては書きません。電子データでの保存についての決まりは、このページでは調べていません。自分の事業場の場合は、社会保険労務士などの専門家や労働基準監督署に確かめてください。
しまい方(このサイトの提案です)
ここから先は、このサイトの提案です。法令の決まりではありません。
- 開催のその日のうちに、型に清書します。時間がたつと、意見の中身を思い出しにくくなります。
- ファイル名の先頭に、開催日を付けます。例:2026-10-18_安全衛生委員会。
- 保存する場所を、1か所に決めます。紙なら1冊のファイルにまとめます。パソコンのファイルだけで残すかどうかは、上に書いたとおり、先に専門家に確かめます。
- 周知した日と方法を、記録に書き添えます。
このページで紹介したのは、条文と役所の資料の言葉と、記録を残すまでの流れです。自分の事業場の場合の最終の判断は、専門家(社会保険労務士など)や労働基準監督署に確かめてください。
よくある質問
50人未満の事業場でも議事録は要りますか?
施行令8条と9条が定める人数は、50人か100人です。このため、常時50人未満の労働者を使用する事業場は、この2つの条文では、安全委員会・衛生委員会を設けなければならない事業場に入っていません。委員会を設けていない事業者には、労働安全衛生規則23条の2が、「安全又は衛生に関する事項について、関係労働者の意見を聴くための機会を設けるようにしなければならない」と定めています。この条の文には、記録や保存の定めは書かれていません。常時50人未満の事業場で委員会を設けているときに、23条の毎月の開催・周知・記録がかかるかどうかは、このページでは扱いません。自分の事業場の場合は、社会保険労務士などの専門家や労働基準監督署に確かめてください。
議事録に押印は要りますか?
労働安全衛生法・同施行令・同規則の条文には、委員会の記録に署名や押印をするという定めは見当たりません(e-Govの条文の全文で「署名」「記名押印」「押印」を検索して0件・2026年10月18日確認)。これは、押印が要るか要らないかの結論ではありません。自分の事業場の場合は、社会保険労務士などの専門家や労働基準監督署に確かめてください。
議事の概要は、全員に紙で配らないといけませんか?
労働安全衛生規則23条3項は、事業者が、委員会を開くたびに、遅れることなく、議事の概要を、3つの方法の「いずれか」で労働者に周知させることを定めています。3つは、常時、各作業場の見やすい場所に掲示するか備え付けること、書面を労働者に交付すること、事業者のパソコンなどのファイルか記録媒体のファイルに記録し、かつ、各作業場に、労働者が中身をいつでも確かめられる機器を置くことです。紙で配ることだけが決められているわけではありません。
記録はいつまで残しますか?
労働安全衛生規則23条4項は、事業者が委員会の開催の都度、2つの事項を記録し、「三年間保存しなければならない」と定めています。自分の事業場の場合は、社会保険労務士などの専門家や労働基準監督署に確かめてください。
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